2019年もトレーニングジム、特にマイクロジムの出店が続いています。
トレーニングジム出店についてのご相談やコンサルティングは増えているのですが、それと同時に増えている相談があります。
それが、
トレーニングジムのシェア
です。
ジムオーナーから『空き時間を有効活用するためにフリーランスのトレーナーさんにジムをシェアしたのですが・・・』というお問い合わせが増えています。
今までは難しいと思われていたマイクロジムのシェアですが、テクノロジーの発達とともにジムシェアが簡単できるようになってきました。
実際に空き時間を利用したシェアを行っているサービスがいくつかあり、利用者もドンドン増えているということです。
ここまで話を聞いて『じゃ、ウチのジムもシェアを始めよう!』と思われたのなら、ちょっと待ってください!
ジムシェアを行う場合、シェアに伴って起こる問題に対して、しっかりと準備しないと『ジムシェアなんてしなければよかった・・・』ということになりかねません。
そこで今回は、トレーニングジム、マイクロジムのシェアを考えられているジムオーナーさん向けに、ジムシェアをする際に気をつけるポイントについてお話させていただきます。
まずはじめに
トレーニングジムシェアで気をつけるポイントをお話する前に、前提として覚えておいていただきたいことがあります。
それが、ジムシェアの利用時間とトレーナーについてです。
ジムシェアの場合、レンタルの時間の中には、セッション時間だけではなく、セッション前の準備、後片付けの時間も含まれます。
60分レンタルするとなるとトレーニングできる時間は45〜50分程度になります。
それともうひとつオーナーに知っておいていただきたいことは、トレーニングジムのシェアを希望するトレーナーは【個人事業主】がほとんどであるということです。
個人事業主またはフリーランスの場合、あなたとの雇用関係はありません。
あくまでも施設オーナーと施設利用者という関係であることを意識する必要があります。
『こんなこと当たり前じゃないか!』と思われたかもしれませんが、ジムシェアでトラブルが起こる場合、ほとんどのジムオーナーがトレーナーを自社の従業員のような意識で考えています。
この2つは、当たり前のことのようですが、大前提として覚えておいていただきたいので、お話させていただきました。
トレーニングジムシェアで起こる問題はこの3つ!
先ほどご紹介した前提を踏まえた上で、トレーニングジムをシェアする際に起こる問題は大きく分けると以下の3つです。
- ニュートラル問題
- 清掃問題
- 時間管理問題
それぞれを解説していきたいと思います。
ニュートラル問題
ニュートラル問題と聞いて、ピンと来ないかもしれないので、簡単に説明をすると、
トレーニングマシンやギアの定位置(ニュートラルポジション)が決まっているのに、元の位置に戻っていない。
もしくは、そもそも定位置が決まっていない。
という問題です。
これだけ見ると『だからなに?』と思われるかもしれませんが、次にご説明する【清掃問題】と合わせて、ジム内を良い状態に保つために必要なことです。
僕がシェアジムを利用した際に、かなりの確率でトレーニングマシンやギアの位置が毎回変わっています。
ジムオーナーに確認するとトレーニングマシンやギアの定位置は決まっているし、そこに戻すように伝えているということでしたが、守られていることはほとんどありませんでした。
この問題は見栄えもありますが、それよりもニュートラルポジションに戻すだけで、貴重なレンタルの時間を消費してしまい、利用者としてあまり良い気分のするものではありません。
また毎回位置が変わることで、準備やセッションの進行の妨げになり、クライアントに迷惑がかかる可能性もあります。
そのため、ジム内のルールとして、トレーニングマシンやギアの定位置を周知徹底し、そのポジションに戻してもらうよう事前に指導し、管理していくことが必要となります。
清掃問題
2つ目の問題は清掃問題です。
これは文字通り、ジム内の清掃をせずに使いっぱなしでジムから出ていく利用者が非常に多いと言うことです。
これについては、事前指導をしていても守られていないケースが多く、ジムオーナーの悩みのタネのひとつと言えます。
これが起こる原因としては、先ほどもお話したようにレンタルの時間の中には、セッション時間だけではなく、セッション前の準備、後片付けの時間が含まれるからです。
セッションに時間をたくさん使いたいあまり、セッション後の後片付けの時間が確保できず、結果的に清掃をせずにジムから出ていくことになってしまうのです。
シェアを初めたばかりの頃は、利用者がすくないこともあり、あまり目立ちませんが、利用者が増え、稼働時間が増えれば増えるほど、この問題が大きな問題になってきます。
これについては、ジムオーナーだけでなく、利用するトレーナーのモラルの問題もあるので、なかなか一筋縄では行かないというのが現状です。
時間管理問題
最後が時間管理問題です。
現在稼働しているシェアジムは、オンライン上で予約を取り、ジムの出入りもスマホなどを利用したオートロックキーを使い、無人で行われるケースが多いです。
こうなると予約時間よりも少し早くから利用したり、予約時間を過ぎてもジムを利用していたりといった行為が見られるようになります。
この問題は、利用者が多くなり、予約がたくさん入るようになると少なくなりますが、利用者が少ないときにこのような行為をしているトレーナーが元で利用者同士のトラブルに発展することもあります。
こちらも防犯カメラなど証拠を押さえる追加設備がない場合、なかなか防ぐことができず、トレーナーのモラルに頼らず負えないのが現状です。
以上がトレーニングジムをシェアする際に起こる問題の3つです。
トラブルが起こらないための対処法
トレーニングジムをシェアする際に起こる3つの問題についてお話しました。
これら3つの問題それぞれに対処法は色々とあるのですが、もっとも効果的な対処法は、
利用者へのオリエンテーションの徹底
です。
問題が起こっているケースを見てみると、利用者への事前の説明が不足しており、それによってトラブルが起こってしまっています。
とくに『これくらいはできるだろう』というオーナーの気持ちとは裏腹に『え?こんなこともできないの!?』ということがトラブルとして起こっています。
冒頭でも説明したように、利用するトレーナーは、従業員ではないので、そのあたりをしっかりと念頭においたルール化が必要になってきます。
その他にも定期的な利用者への注意喚起のアナウンスやトラブルが起こった際の情報共有などをすることが必須です。
ただ、利用者全員を集めて、オリエンテーションやガイダンスをするというのは難しいというのが現状なので、事前にしっかりとルール説明をして、理解を深めて貰う必要があります。
トレーナーの意識改革がかなり必要です!
ここまでジムオーナーがトレーニングジムシェアをする場合に気をつけるべきポイントと対処法についてお話しました。
これはあるジムの話ですが、ジムオーナーがどれだけルール化の周知徹底や情報共有などをしてもトラブルが起こらないということはありません。
なぜなら、利用者であるトレーナーのモラルが非常に重要だからです。
パーソナルトレーナーの平均年齢は、20代と非常に若いこともあり、また利用者は個人事業主が多いことも相まって、ルールを守らなかったり、自分だけが良ければそれでいいという風に考え、行動している人も少なくありません。
これは、トレーナー界の問題でもありますが、個人差が非常に大きいですが、結構な数トラブルが起こっていることを考えると、意識改革が必要なトレーナーが多いのも事実です。
まとめ
以上がトレーニングジムをシェアをする際に、オーナーさまに気をつけていただきたいポイントと対処法でした。
一見当たり前の事のようですが、主従関係にないシェアとなると起こるトラブルになる場合もありますので、明確なルール化や決められたルールの周知徹底を利用者に行うことで、利用開始後のトラブルをかなり防ぐことができます。
弊社ではこうしたトラブルに対処するためのトレーナー研修も承っております。
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